Restaurant -にぎり長次郎 押熊店-

既存建物を生かした、やさしい空間。

奈良市のならやま大通り沿いにある
和風建築をモチーフにした大手飲食店の跡地を
廻転寿司屋にリノベーションした計画である。

既存建物が持つ巨大木造空間の要素を最大限に利用し
今までこの建物が生きてきた環境を継承しようと考えた。

黒を基調とした「かっこいい」和空間で
夜を主体としたイメージではなく、
白やベージュを基調とした「やさしい」空間で
昼も夜も女性や家族連れが来やすいイメージを提案した。

高さを生かした家型の客席空間。
壁、天井、垂れ壁を同じマテリアルで客席を包み込むやさしい空間。
演出性の高い素材を用いたオープン厨房。
白樺積層合板の格子とコンクリートブロックで 各ブースを
緩やかに区切り、格子で懐かしさの和を提案した。

既存建物の持つ大空間を、
既存柱や梁を活かし建材や素材をたくさん用いた空間とすることで
生まれる安心感によって空間にやさしさを演出した。

素材を提供する寿司屋らしく、
空間にも素材や建材を素のまま活かしてつくるように心掛けた。